身近な歴史をリアルに ~アルバムのカラー化 呉海兵団編 その5 教育②

アルバムカラー化
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身近な歴史をリアルに ~アルバムのカラー化 呉海兵団編 その4 教育① の続編となります。

旧漢字及び仮名遣いは、それを知らない方にも解るように改めています。

目次

アルバム(昭和二年度志願兵 四等機関兵修業記念 呉海兵団)

砲術(中隊教練)

中隊教練文字画像

徒手、各個、分隊、小隊教練と階段をふんで
いよいよ中隊教練だ、
「目標軍法会議の入口」!! 勇往邁進!! 炎天下の中隊教練! 照りつける太陽熱! 蒸し上がる地熱!
しかし何と勇ましい堂々たるものだろう、
正気堂々歩々整々と邁進する所は本当に軍隊だ、
この様な魂、軍人を持った日本こそ永久に変わりなき歴史を持つのである、

中隊教練画像

いわゆる基本教練、気を付けなどの姿勢や敬礼、行進の仕方を意味しています。
徒手とは銃を持たない状態、各個は個人での動作を指します。
海軍の生活単位と異なり、教練の部隊単位については陸軍と同様に分隊<小隊<中隊となっているようです。

砲術(散開教練)

散開教練文字画像

第一分隊その場に散開!!
基準兵の位置、松の木の所、その場に散れ!
長官官舎の所の敵兵ー五百ー打ち方始め!
「オイオイお前はそれで横距離が四歩あるか!
五百だ五百だ お前の照尺は四百じゃないか!
着剣は交互にせ、皆一所にするから弾が一つも出ん」
と教班長、イヤ、分隊下士官の仰せも
酷暑の熱気で頭が「ボー」として遠雷の如くに聞いている、

長官官舎とは呉鎮守府司令長官官舎を指し、写真の左側で、現在は入船山記念館になっています。
照尺とは小銃の照準を行う装置ですが、それで目標までの距離を設定するようになっています。
着剣とは小銃に銃剣を装着する事を指しますが、恐らく着剣を全員が一斉にすると、その間に
小銃を射撃する兵がいなくなってしまう、と言う意味ではないかと思われます。

砲術(射撃)

射撃文字画像

いくら照準して撃っても標的は回らない、こいつは小銃が悪いんだろうてな感がする
「どこを撃つんだい」また土手だ 今度は上だよ 照準が良かったらよく落ち着いて呼吸を止めて
とにかく射撃は引金の引き方一つだ!! 彼方でも此方でも教班長の怒鳴る注意の声が聞こえる
今度こそはと充分なる姿勢も取った、照準も満星だ いつとなく「ドーン」アリア仕舞った、
監的壕では標的が回る、青白の旗が左右に往復する
実に気持ちが良い、ハハア此処だな「心で引くな手で引くな 秋の木の葉の散る如く」

射撃画像

右上の写真が監的壕で、一番右の兵が手にしているのが標的になります。
この標的を壕から上に掲げ、それを目標に射撃をする事になります。
下写真の最前線(上側)が射座(射手が射撃を行う位置)で、新兵の射手2名に下士官のコーチ役が1名となっていて、その後ろに観測係、射場管理役や指揮官、更にその後ろが待機線となっているようです。
先日発生した、岐阜の陸上自衛隊の小銃乱射事件について、日野基本射撃場は屋内、こちらは屋外の射撃場となりますが、基本的な配置は同様と思われます。
ちなみに、本来射座で装着すべき弾倉を待機線で装着し、乱射したようですが、自衛隊の射撃訓練に限らず、アメリカなどの民間射撃場などでも、急に悪意を持って銃を乱射し始めた人がいる場合、即座に押し留めるのは難しいのではと感じます。

演習所感

演習所感文字画像

前へ前へ前へ
白露を踏みしだき踏みしだき前進する我らも
進めば敵も進む銃声益々繁く剣光閃き悽愴の
気天地に充つ、やー今に突撃だぶ何をつつ
この身も砕けよと、ぶつかってくれん、統監旗は
厳然として秋風に翻る実戦そのままのその光景

演習所感画像

これまでの訓練の軍服が白の2種軍装(夏服)だったのが、濃紺の1種軍装(冬服)になっているので、やはり訓練の総仕上げ、指揮官が演習を視察している場面なのでしょう。

身近な歴史をリアルに ~アルバムのカラー化 呉海兵団編 その6 教育③に続きます。

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この記事を書いた人

ITの世界の片隅で過ごして早30年になりますが、この20年近くはほぼマネジメントしてます。
興味の幅は浅く広く、一旦興味を持ったらかなり深く追及するタイプです。
現在過去未来の由無し事をゆるりと書き連ねたいと思ってます。

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