約10年以上ぶりに複合機(プリンター)を買い換えたので、買い換えに至る経緯と、機種選定や他社との比較などを記録に残しておきたいと思います。
多少でも本稿をご覧になるみなさんの購入時のご参考になれば幸いです。
プリンター使用歴と今の利用状況
ブラザー プリビオ DCP-J926Nへの買い換えまで使用していたのはブラザーのMyMio MFC-J825N、その前は同じくブラザーのMyMio DCP-110Cと、3台続けてブラザー製のプリンター(複合機)を購入しています。
その前は、エプソンやHP製のプリンターを使用していました。
DCP-110Cを購入するまで、ミシンメーカー以外としての、プリンターはもちろん周辺機器メーカーとしてのブラザーの存在を知りませんでした。
それまではプリンター専用機を使っていて、DCP-110Cで初めてコピーとスキャナ機能を持った複合機を購入したのですが、他メーカーと比較して相対的に安価だった事を記憶しています。
これくらいの価格帯でコピーやスキャナ付きの複合機を買えるのなら、自宅にあっても良いかなと思わせるものでした。
MFC-J825Nを購入するまで自宅にFAX機を置いた事がなく、一度は自宅にFAXを導入してみたいと思っていたのですが、MFC-J825NでFAX付き複合機を買ってみても良いかなと思わせる価格帯になったので、購入してみました。
この時も他メーカーと比較してリーズナブルな価格だったと思います。
ただ、現状の利用状況について、プリンタとしては月に数回の発送物の宛名印刷と、年一回数十枚の年賀状印刷がメインで、後は不定期の印刷と、年数回のマイナンバーや免許証など身分証明系のコピーがほぼ全てとなっていて、結局、購入後、ほとんどFAX機能は使っていません。
この10年で大きくデジタル化が進展し、そもそも公私共にFAXを使う事自体がなくなってきていると実感しますし、文字はスマホなどのディスプレイ上で読む事が多くなっていて、よほどじっくり読みたいドキュメントを除くと、文字データを印刷して読む機会も激減しました。
複合機買い換えのきっかけ
FAX用の電話線を接続する必要があったので、MFC-J825Nはリビングに設置していたのですが、印刷指示を出すのは他の部屋にあるPCからのため、狭い部屋とは言え、印刷の都度、部屋と部屋の間を往復するのも億劫に感じていました。
ふと、FAXって全く使ってないのに、そもそもリビングに複合機を置いておく必要があるのか?と疑問を感じて、MFC-J825Nの購入後、結構時間が経っている事もあって、そろそろFAX機能のない複合機に買い換えても良いかなと思い始めたのが、今回の買い換えのきっかけになります。
MFC-J825NをそのままPCのある部屋に移設する事も考えたのですが、最近PCケースをホワイトボディに変えたタイミングで部屋の中をオールホワイトに統一してきており、かなりボリューム感のあるブラックボディのMFC-J825Nを、PCを置いてある部屋に設置してしまうと統一感が損なわれます。。
また、少し前にPCをWindows11にバージョンアップしたのですが、その時にプリンタドライバ系、特にネットワーク上のプリンタモニタリングツール等がMFC-J825N導入当時の古いものである事が気になっていたので、それも合わせて解消したい気持ちもありました。
機種選定について
15年近く2台の複合機を使って来て、特に目立ったトラブルや故障もなく、大きな不満もなかったため、まずはブラザーの後継機種から検討する事にしました。
価格コムで3万円以下のブラザー製インクジェット複合機を調べて見ると7機種ありました。
現行モデルを大別すると、インクカートリッジが大容量モデルか、それ以外(標準モデル)となり、それによってランニングコストに影響するようです。
大容量モデルの場合、1回のインクカートリッジ交換で印刷できる文書がカラーで約5000枚、ブラックで約6000枚、標準モデルの場合、カラーで約500枚、ブラックで約375枚となるようです。
筆者の場合、1年で500枚も印刷しないので、5000枚分のインクを使い切るとなると一体どれくらいかかるか解らないレベルですし、それまでインクの残量があったとしても、インクカートリッジ自体が持つかどうか解らないので、標準モデル一択となりました。
そうすると、DCP-J526N、DCP-J926N、DCP-J1800Nに絞られます。
(DCP-J926Nのみ白モデルと黒モデルあり、他は白モデルのみ)
機種名 | 特徴 | 印刷速度 | 価格コム最安値 |
DCP-J1800N | 自動カット(A4→A5) | カラー約16.5ipm モノクロ約17ipm | 約23,000円 |
DCP-J926N | CD/DVD/BD印刷 | カラー約16.5ipm モノクロ約17ipm | 約17,000円 |
DCP-J526N | 有線LANなし・ADFなし | カラー約9.5ipm モノクロ約17ipm | 約14,000円 |
DCP-J1800Nの自動カットは、A4を半分のA5サイズに縮小印刷してカットする機能だそうですが、部数の多い印刷をする事が殆どなくなっているので、使わない機能だと判断しました。
また、これまで使ってきた機種もディスク印刷機能はついていましたが、殆ど使った事がなく、印刷速度も特に重視しないため、DCP-J526Nで良いかなと感じました。
それでDCP-J926Nを購入する前提で詳細スペックを確認していたところ、ネットワークが無線LANのみで、有線LANに対応していない事が解りました。
もちろんプリンターのような低速デバイスは、ネットワーク速度よりも印刷速度の方が圧倒的にボトルネックになるので、レスポンス的には無線LANでも構わないのですが、障害の可能性の多寡や帯域の圧迫を考えると、有線LANが使えるのであれば有線LANを使いたいところです。
(これまで使っていたMFC-J825Nはリビングに設置しており、リビングのHUBにポートの空きがなかったため、無線LAN接続にしていました。)
また詳細スペックを比較していて気付いたのですが、DCP-J926NとDCP-J1800NにはADF(自動原稿送り装置)が付いています。
これも大量コピーをする機会は激減しているので、使わない可能性は高そうですが、家庭内複合機にADFがあるのは面白いと思って、有線LANとADFがある、DCP-J926Nを買い換え対象機種としました。
(ADFが付いてない場合、1枚1枚カバーを開けてコピーやスキャンする必要がありますが、ADFが付いている場合、コピーやスキャン対象の用紙をADFにセットしておけば、自動的に用紙を送り込んで読み取ってくれます)
ちなみに、今回ADFと両面コピー機能がある事を知って、家庭用複合機も随分進化したなと思ったのですが、実はこれまで使っていたMFC-J825Nにも備わっていたのに気付いて、改めて驚きました。
(機能が多過ぎて気付かなかったのと、職場の複合機と違って、大量印刷・大量コピーに迫られる機会が少ないためでしょう)
他社複合機との比較
キャノン
A4複合機で似たような価格帯となると、PIXUS TS6330、PIXUS TS7530、PIXUS TS8530辺りになるようです。
これは良く比較対象で取り上げられますが、ブラザー製複合機は、インク色数が4色と、他社に比較して少なくなっていて、PIXUS TS6330、PIXUS TS7530は5色、PIXUS TS8530は6色となります。
色数が多いほど写真の表現力が増すようですが、インクのランニングコストは高くなります。
筆者はカラープリントの主な用途が年賀状印刷であり、写真を印刷するとしても数センチサイズなので、ここは比較ポイントにはなりませんでした。
しかも、これらキャノンの3機種は筆者が重視した、有線LANやADFには未対応となっています。。
エプソン
A4複合機で似たような価格帯となると、カラリオ EP-715A、カラリオ EP-815A辺りになるようです。
こちらもキャノン同様にインク色数はどちらも6色とブラザーより多くなっています。
またキャノン3機種同様に、有線LANやADFは未装備となります。
機種比較(ブラザー、キャノン、エプソン)
DCP-J926Nと価格コム最安値が近い他社機種を比較してみました。
価格帯はPIXUS TS7530はほぼ同じ、カラリオ EP-715Aは3千円ほど高いようです。
メーカー | ブラザー | キャノン | エプソン |
機種 | DCP-J926N | PIXUS TS7530 | カラリオ EP-715A |
価格コム最安値 | 約17,000円 | 約17,000円 | 約20,000円 |
解像度 | 6000 x 1200 dpi | 4800 x 1200 dpi | 5760 x 1440 dpi |
インク色数 | 4色 | 5色 | 6色 |
カラー印刷速度/分 | 16.5枚 | 10枚 | |
モノクロ印刷速度/分 | 17枚 | 15枚 | |
L判プリント速度 | 約14秒 | 約16秒 | 約17秒 |
インク・用紙合計コスト | 23.1円 | 31.8円 | 33円 |
タッチパネル | 〇 | ||
消費電力 | 21W | 13W | 15W |
最大給紙枚数(普通紙) | 101枚 | 200枚 | 100枚 |
最大給紙枚数(ハガキ) | 61枚 | 40枚 | 40枚 |
スマートスピーカー対応 | 〇 | 〇 | |
Air Print 対応 | 〇 | 〇 | |
NFC 対応 | 〇 | ||
クラウドプリント | 〇 | PIXUSクラウドリンク | |
有線LAN | 〇 | ||
ダイレクト印刷 | 〇 | 〇 | |
自動両面印刷 | 〇 | 〇 | |
レーベル印刷 | 〇 | 〇 | |
ADF | 〇 | ||
カードリーダー | 〇 | 〇 |
DCP-J926Nがライバル機種に比べて明らかに落ちるのは、インク色数、消費電力、スマートスピーカー対応くらいで、それ以外、特に印刷機能系は全部盛り、な状況です。
インク色数とランニングコストはトレードオフの関係ですし、これまで使っていたMFC-J825Nはスマートスピーカー対応でしたが、割とスマートスピーカーを重用している筆者でも、MFC-J825Nをスマートスピーカーで使う機会はありませんでした。
まとめ
今回改めて発売後1~2年のブラザー、キャノン、エプソンの複合機3機種を比較してみましたが、10年ほど前の購入時に感じたのと同様に、今でもブラザーがコスパに優れていると実感しました。
MFC-J825Nについては、10年以上利用してきて、大きな問題もなく、なお継続利用しようと思っていたほど良く出来た複合機でしたが、DCP-J926Nに買い換えて、特に変化した点は印刷速度の向上(約50%)とハガキ給紙枚数の増加(20枚→61枚)になります。
特にハガキ給紙枚数の増加は年賀状印刷時に助かりそうです … 年に一度ですが(笑)。
みなさんの複合機のご購入に際して、少しでもお役に立てれば幸いです。