ピットロード 1/350 二等輸送艦 作成記

二等輸送艦 全体 画像
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筆者は以前からマイナーかつ大戦後期の艦艇が好みなのですが、そんな筆者の趣向にぴったりのピットロード WB05 1/350 日本海軍 二等輸送艦(第101号型) の製作過程をご紹介します。

1/350なのに、1/700並みのキットディテールと、当初資料を用意しておらず、作成しながら資料を買い揃え、新たな発見をする度に加工追加していたため、完成まで結構時間がかかりました(汗)
イラストレーターのこがしゅうと氏が二等輸送艦マニアなんだそうで、氏の著作、アナタノ知ラナイ兵器2も細部で参考になりました。

著:こが しゅうと
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二等輸送艦と地獄のレイテ輸送作戦 画像

輸送艦はウォーターラインシリーズでもモデル化されているので、幼少期から存在自体は知ってましたが、具体的な戦歴を知る機会はこれまであまりありませんでした。

たまたま、製作と並行して読んでいたのが、この「地獄のレイテ輸送作戦」です。
オルモック輸送作戦とか多号作戦って日本最速の駆逐艦 島風が沈んだ戦いとか、二水戦が全滅した戦いとは知っていたのですが、あまり戦史にも深く触れたものが少ないため、詳しくは知りませんでした。

この本によって、多号作戦の詳細と、一等二等各輸送艦の実戦での様子を知る事が出来ました。

しかし、多号作戦にしろ、レイテ決戦にしろつくづく酷いですね。
現場を知らない参謀達が脳内だけで練り上げた作戦のために、あたら貴重な兵力が戦う前に無為に失われていきます。
制空権、制海権を失った戦場への低速輸送船団がどれだけ無力か、充分な戦訓があるはずなのに。

キット付属のエッチングパーツに各種汎用エッチングパーツを組み合わせています。
下記写真の金色の部分が汎用パーツですが、特に省略が激しいのが後甲板で、キットデフォルトの状態だとどうやって後甲板に上がるんだろう?と思わせます(笑)
1/.350のスケールだと、人が5mm程度のサイズになりますので、それなりに細部のリアリティが必要になるんですよね。
1/700だと、2mm程度なので、充分省略できると思うのですが。

前楼はキットパーツと真鍮線の組み合わせなんですが、後ろから見たところ歪んでいます…
手を抜かなければ良かった(汗)

二等輸送艦 艦橋周り 画像

艦橋周りも細部の省略が多い感じです。
シンプルな構造なだけに目立つため、舷灯等に手を入れておきます。
あと、機銃座前のダビッドも目立つところにあるので、省略が気になります。
写真で見る限り、アナタノ知ラナイ兵器2で描かれた形状とも異なるようなので、写真判定からレ状になっていると判断し、潜水艦のダビッドのエッチングパーツからスカウトしています。

二等輸送艦には意外と木甲板部分があって、塗装での再現は面倒だと感じたのですが、本艦の専用パーツは出ていないので、タミヤ大和用の木甲板シートを購入し、不要部分を流用しました。

舷側部の△の補強板(写真の白い部分)は、当初全く気付かないでいたのですが、インターネットで二等輸送艦の作例を見てる内に、ここを再現したものがあり、気付いた以上はと、表現した次第です。
手間がかかるので個人的には充分省略可能なんですが、最初からキットでは再現しておいて貰いたいところです。

二等輸送艦 甲板周り 画像

こちら全体の完成形となります。
艦底も嵌め合いが悪かったりして、細部はイマイチなんですが、まあ全体形は紛れもなく二等輸送艦ですし、この手のマイナーな帝国海軍艦艇を発売してくれている事には感謝したいです。
あと、丁型駆逐艦と大淀辺りもどこかが出してくれないかな。

二等輸送艦 全体画像

煙突前の木材は応急用の角材らしいのですが、ハンズで1mm角のヒノキ材を買ってきて、1mmだと大き過ぎるみたいなので、それを更に半分に切って組み上げました。
これで実物だと17-8cmくらいでしょうか、筆者の手先と忍耐力集中力の限界だとこんなものですが、他の方の作例を見たりしていると、こんなサイズでもキチンと揃えて組み立ててあったりして、ホント、すごい人がいるよなぁ、と感心する事しきりです。

二等輸送艦 艦橋後部 画像

実際にはこんな状態はなかったでしょうが、キット付属の戦闘車両(戦車)群を搭載してみました。
考えてみると、サンダーバード2号にしろ、二等輸送艦にしろ、子供心を擽るのは、この手の親亀子亀状態なのかも(笑)

二等輸送艦 前方 画像

写真手前が二等輸送艦、奥は以前作成した鵜来型海防艦です。

二等輸送艦と鵜来型海防艦 画像

鵜来型海防艦と二等輸送艦、どちらも戦時急造型と言う事で、直線的な艦型が良く似てますが、切り立った形状の艦尾も特徴的で類似しています。
爆雷兵器だらけの鵜来型に比べてシンプルな後甲板の二等輸送艦ですが、写真では解りにくいのですが、わずか6発分の爆雷投射台があります。
また、二等輸送艦には艦尾に錨があるのですが、この甲板上に出ている部分の表現も全くされておらず、ここも目立つため、再現してあります。
あと、後楼左部分は、爆雷が6発剥き出しで置いてあるらしく、これもキットでは平面的なモールドなので、汎用パーツからスカウトして再現しました。

二等輸送艦と鵜来型海防艦 後方 画像

製作記としては以上になりますが、いかがでしたでしょうか?

これから二等輸送艦を製作される方にとって、少しでもご参考になれば幸いです。

2013年10月14日

みんカラ初出
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この記事を書いた人

ITの世界の片隅で過ごして早30年になりますが、この20年近くはほぼマネジメントしてます。
興味の幅は浅く広く、一旦興味を持ったらかなり深く追及するタイプです。
現在過去未来の由無し事をゆるりと書き連ねたいと思ってます。

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